「高校では野球を頑張りたい」
そう考えたとき、多くの中学生や保護者が悩むのが高校選びです。
「強豪校に行ったほうがいいのか?」
「甲子園を目指せる高校がいいのか?」
「今の実力なら、どのくらいの高校が合っているのか?」
私も中学11年、高校13年、合わせて24年間野球を指導してきました。
その中で感じるのは、
高校選びは「どの高校が強いか」だけで決めるものではない
ということです。
大切なのは、その高校で3年間、どんな野球生活を送りたいのかです。
① まず「高校で何をしたいのか」を考える
高校選びをするとき、最初に考えてほしいことがあります。
それは、
「高校でどんな野球をしたいのか?」
です。
例えば、
- 甲子園を目指したい
- 試合にたくさん出たい
- ピッチャーとして成長したい
- 野球と勉強を両立したい
- 仲間と楽しく3年間野球をしたい
- 大学でも野球を続けたい
人によって目標は違います。
「強豪校に行くこと」が目的になってしまうと、高校に入ってから「思っていたのと違った」となる可能性があります。
まずは本人が何を求めているのかを整理してみましょう。
② 強豪校=自分に合う高校とは限らない
強豪校には、強豪校ならではの魅力があります。
レベルの高い選手と一緒に練習できたり、競争の中で成長できたりする環境があります。
一方で、選手層が厚ければ、当然競争も激しくなります。
例えば、
中学ではエースだった選手が、高校では複数いるピッチャーの一人になる。
こういうこともあります。
これは悪いことではありません。
レベルの高い環境で競争することも、大きな経験になります。
ただし、
「強豪校に行けば必ず試合に出られる」わけではない
ということは理解しておきたいところです。
③ 「試合に出ること」をどう考えるか
高校野球では、試合に出ることを目標にする選手も多いでしょう。
そこで高校選びのときに、
「その高校に入ったら、自分はどのポジションで競争することになるのか?」
を考えてみてください。
例えばピッチャーなら、
- ピッチャーが何人いるのか
- 同学年にどんな選手がいるのか
- 下級生でも登板しているのか
- どのような投手を育てているのか
などを確認してみるのも一つです。
ただし、入学後の起用は選手の成長やチーム事情によって変わります。
「今の自分なら絶対にレギュラーになれる」
という考え方ではなく、競争することを前提に高校を選ぶことが大切です。
④ 指導者の考え方を知る
高校選びでは、学校名だけでなく指導方針も重要です。
できれば実際に、
- 練習を見学する
- 説明会に参加する
- 指導者の話を聞く
- 現在の選手に話を聞く
などをしてみてください。
特に確認したいのは、
「選手をどう育てようとしているのか」
という部分です。
技術指導だけではありません。
失敗したときにどう指導するのか。
ケガをした選手にどう対応するのか。
選手自身の考えをどの程度尊重するのか。
こうした部分も、3年間を過ごすうえでは大切です。
⑤ 練習時間や生活環境も確認する
高校野球は、野球だけで3年間が終わるわけではありません。
毎日の生活があります。
例えば、
- 朝練習はあるのか
- 練習は何時までなのか
- 休日はどのくらい練習するのか
- 寮生活なのか自宅通学なのか
- 通学時間はどのくらいか
- 学校生活はどんな雰囲気なのか
などです。
特に寮生活をする場合は、本人がその環境で生活できるかも考えておきたいところです。
野球の環境だけを見るのではなく、
「毎日ここで生活する」
という視点で見てみましょう。
⑥ 学業も忘れない
高校3年間の先には、卒業後の進路があります。
大学、専門学校、就職など、選択肢はさまざまです。
野球だけで高校を選ぶのではなく、
「野球をやめた後も、この学校で学んだことが自分の将来につながるか」
という視点も持っておくといいでしょう。
もちろん、大学でも野球を続けたいなら、そのための進路も調べておく必要があります。
⑦ 「高校卒業後」まで考える
高校選びで意外と見落としやすいのが、その先です。
例えば、
「高校卒業後も野球を続けたい」
のであれば、
- 大学野球
- 社会人野球
- クラブチーム
などの道があります。
一方で、
「高校で野球を一区切りにする」
という選択もあります。
どちらが正しいということではありません。
高校3年間だけでなく、その先まで考えておく。
これも進路選びでは大切です。
⑧ 子ども本人の気持ちを一番大切にする
保護者の方には、ここを特に大切にしてほしいと思います。
高校選びでは、
「親としてはこの高校に行ってほしい」
という気持ちが出てくることがあります。
当然です。
しかし、実際に高校へ通い、毎日練習するのは子ども本人です。
だから、
「どうしてこの高校に行きたいの?」
「高校で何をしたい?」
「どんな野球をしたい?」
と聞いてみてください。
親子で話し合いながら決めていくことが大切です。
⑨ 実際に高校を見る
インターネットやパンフレットだけでは分からないことがあります。
可能なら、実際に高校へ行ってみましょう。
見るポイントは、
グラウンドだけではありません。
- 選手の挨拶
- 練習中の雰囲気
- 指導者と選手の関係
- 選手同士の雰囲気
- 学校の環境
- 寮や施設
- 練習の進め方
などを実際に見てみると、その高校の雰囲気が少し分かります。
一度だけで判断するのではなく、可能なら複数の学校を比較してみるのもいいでしょう。
⑩ 「3年間続けられるか」を考える
最後に、一番大切な質問です。
「この高校で3年間、野球を続けられるだろうか?」
強豪校に入ることはゴールではありません。
高校野球は3年間あります。
楽しいこともあれば、苦しいこともあるでしょう。
試合に出られない時期もあるかもしれません。
それでも、
「ここで頑張りたい」
と思える高校なのか。
そこを本人と一緒に考えてほしいと思います。
強豪校に行かないと成長できないわけではない
これは、私が24年間野球を指導してきて伝えたいことです。
強豪校には強豪校の良さがあります。
一方で、強豪校ではない高校にも、それぞれの良さがあります。
大切なのは、
「どの高校に行ったか」だけではなく、「その高校で何をしたか」
です。
高校に入ってから、
- 技術を磨く
- 身体を作る
- 野球について考える
- 仲間と協力する
- 失敗から学ぶ
こうした経験を積み重ねることが、3年間の大きな財産になります。
24年間指導してきた私から伝えたいこと
中学生の時点では、
「この高校に行けば成功する」
という答えはありません。
選手によって身体も性格も目標も違います。
だからこそ、
偏差値だけでも、強さだけでも、知名度だけでも決めない。
本人が何を求めているのか。
その高校がどんな環境なのか。
そして、その2つが合っているのか。
そこを親子でしっかり考えてほしいと思います。
高校野球は、人生の中の3年間です。
その3年間を、
「ここで野球をやってよかった」
と思えるものにしてほしい。
それが、24年間野球を指導してきた私の願いです。
まとめ
高校野球の進路を考えるときは、次のポイントを確認してみてください。
- 高校で何をしたいのか
- 強豪校かどうかだけで決めていないか
- 試合に出ることをどう考えるか
- 指導方針は自分に合っているか
- 練習時間や生活環境はどうか
- 学業との両立はできるか
- 高校卒業後をどう考えているか
- 子ども本人が本当に行きたい高校なのか
- 実際に高校を見たか
- 3年間続けられる環境なのか
「強豪校に行くこと」ではなく、「自分に合った高校で3年間どう成長するか」。
高校選びでは、そこまで考えてみてください。


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