「球速を上げたい」
中学生のピッチャーなら、一度はそう思うのではないでしょうか。
私自身、中学11年・高校13年、24年間野球の指導に携わってきました。
その中で感じてきたのは、球速を上げるためには、ただ強く投げればいいわけではないということです。
大切なのは、
- 下半身を使う
- 股関節を使えるようにする
- 体重移動を覚える
- 全身を連動させる
- 無理なく繰り返せる練習をする
ことです。
今回は、グラウンドでできる20分間の球速アップを意識した練習メニューを紹介します。
※このメニューを行えば必ず球速が上がるというものではありません。中学生は成長期なので、痛みがある場合は無理をせず、指導者や医療専門職に相談してください。
① 軽いジョギング・動きづくり【3分】
いきなり投げ始めるのはおすすめしません。
まずは身体を温めます。
1分目
軽いジョギング。
2分目
サイドステップ、スキップなど。
3分目
股関節を大きく動かす。
特に意識したいのは、
「股関節が動く状態を作ること」
です。
ピッチャーは下半身から上半身へ力を伝えて投げます。
そのため、投球前に身体を動かしておくことが大切です。
② 下半身の動きづくり【4分】
ここでは、投球で使う下半身を意識します。
片足立ち
左右30秒ずつ。
ただ立つだけではなく、
軸足で身体を支える感覚
を意識します。
次に、
軽い片足スクワット
左右5~10回程度。
深くしゃがむ必要はありません。
膝だけで動くのではなく、
股関節を使って身体を動かす
ことを意識してください。
③ ステップ&体重移動【4分】
ここはピッチャーにとって非常に重要です。
投球動作を小さく分解して、
「後ろから前へ体重を移動する」
感覚を作ります。
やり方
① 軸足で立つ
↓
② 軽く足を上げる
↓
③ 前へ体重を移動
↓
④ 前足で受ける
これをゆっくり繰り返します。
最初から速くやる必要はありません。
「身体が前へ移動する」
ことを覚えることが目的です。
④ ネット・相手への軽いスロー【4分】
ここでボールを使います。
いきなり全力投球はしません。
最初は50~60%程度の力で投げます。
意識するのは球速ではなく、
- 下半身
- 体重移動
- 上半身との連動
- フォロースルー
です。
「腕を速く振ろう」
としすぎないことがポイントです。
身体全体が連動すると、結果として腕も速く動きやすくなります。
⑤ 最後の4分は「質」を意識する
最後に少しだけ強度を上げます。
ただし、毎回100%で投げる必要はありません。
例えば、
70% → 80% → 80%
くらいのイメージです。
大切なのは、
「今日は何km/h出た?」
だけではありません。
むしろ、
「今日の投球は身体をうまく使えたか?」
を確認してください。
球速を上げたい中学生がやってはいけないこと
球速アップを考えると、どうしても「もっと投げなければ」と考えてしまいます。
しかし、
投げれば投げるほど球速が上がるわけではありません。
特に注意したいのが、
毎日全力投球する
肩や肘に痛みがあるのに投げる
球速だけを追いかける
疲れてフォームが崩れても続ける
といった練習です。
中学生は身体が成長している途中です。
「今日の球速」だけではなく、
高校生になったときに伸びる身体を作る
という視点も大切だと思います。
125km/hから130km/hを目指すなら
例えば現在125km/h程度の中学生なら、
「あと5km/h上げたい」
と思うかもしれません。
でも、私は球速だけを追いかける練習には注意してほしいと思っています。
125km/hから130km/hを目指す場合でも、
①身体の使い方
②下半身
③体重移動
④投球フォーム
⑤身体の回復
を一つずつ見直していくことが大切です。
球速は、その結果としてついてくるものです。
自宅10分+グラウンド20分
前回紹介した「自宅10分メニュー」と今回の20分メニューを組み合わせると、
自宅10分+グラウンド20分=30分
の自主練習になります。
毎日30分間、全力で投げ込むという意味ではありません。
身体の状態を確認しながら、
「質の高い練習を継続する」
ことを大切にしてください。
24年間指導して感じること
24年間、野球を指導してきて感じるのは、
中学生のときの球速だけで、その選手の将来が決まるわけではない
ということです。
中学生の段階では、身体の成長時期にも個人差があります。
今は120km/h台でも、高校で身体が大きくなり、身体の使い方を覚えて、一気に伸びる選手もいます。
だからこそ、
今の数字だけを見て焦らないこと。
これも中学生ピッチャーには大切なことだと思います。
まとめ
中学生ピッチャーが球速アップを目指すなら、
- 下半身を使う
- 股関節を動かす
- 体重移動を覚える
- 全身を連動させる
- 全力投球ばかりしない
- 痛みがあれば休む
- 球速だけを追いかけない
このあたりを意識してみてください。
「強く投げる」より、「上手く身体を使って投げる」。
それが、将来的な球速アップにつながる大切な考え方だと思います。


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