はじめに
野球の指導をしていると、選手だけではなく、保護者との関係について悩むこともあります。
「どこまで説明すればいいのか?」
「保護者から意見を言われたとき、どう対応すればいいのか?」
「子どものために、指導者と保護者はどう関わればいいのか?」
これは簡単な問題ではありません。
私自身、中学野球11年、高校野球13年、合わせて24年間、野球の現場で指導してきました。
その経験から感じるのは、
指導者と保護者が対立するのではなく、子どもの成長という同じ方向を向くことが大切
ということです。
今回は、指導者と保護者が良い関係を築くために大切だと感じる5つのことについて書きます。
① 保護者の話をまず聞く
指導者からすると、
「練習のことは自分たちに任せてほしい」
と思うこともあります。
それは当然の部分もあります。
しかし、保護者には保護者にしか分からない子どもの変化があります。
家での様子。
学校での様子。
身体の状態。
野球に対する気持ち。
そうした情報を知ることで、指導者が選手を理解できることもあります。
だから、保護者から相談を受けたときは、
まず話を聞く。
すぐに否定するのではなく、
「そう感じているんですね」
と受け止める。
それだけでも、信頼関係は変わってくると思います。
② 指導方針を分かりやすく伝える
保護者が不安になる原因の一つは、
「指導者が何を考えているのか分からない」
ことだと思います。
例えば、
「なぜ今は試合に出ていないのか」
「なぜこの練習をしているのか」
「なぜ今は身体づくりを優先しているのか」
など。
すべてを細かく説明する必要はありません。
ただ、
「チームとしてこういう考えで指導しています」
ということを伝えるだけでも、保護者は理解しやすくなります。
指導者の考えが見えれば、保護者も子どもへの声かけがしやすくなります。
③ 子どもの前で保護者と対立しない
これは非常に大切だと思います。
指導者と保護者の間で意見が違うことはあります。
しかし、それを子どもの前で激しくぶつけてしまうと、選手が困ってしまいます。
「監督はこう言っている」
「お父さんはこう言っている」
「どっちを信じればいいんだろう?」
となってしまうからです。
もちろん、指導者と保護者が意見交換することは必要です。
ただし、
子どもの成長を考えるための話し合いにする。
相手を否定するための話し合いにしない。
これは大切なことだと思います。
④ 「子どもの成長」を共通の目標にする
指導者と保護者では、立場が違います。
指導者はチーム全体を見る。
保護者は自分の子どもを一番近くで見る。
当然、考え方が違うこともあります。
でも、
「子どもが成長してほしい」
という思いは共通しているはずです。
だから意見が違ったときも、
「どちらが正しいか」
だけを考えるのではなく、
「この子にとって何がいいのか?」
を考える。
そこに戻ることが大切だと思います。
⑤ 適切な距離感を保つ
指導者と保護者は、近すぎても遠すぎても難しいところがあります。
何でも話せる関係は大切です。
しかし、必要以上に個人的な関係になってしまうと、逆に問題が起きることもあります。
指導者として、
- 選手への指導
- チーム運営
- 保護者との連絡
- 必要な説明
など、それぞれの役割を意識する。
そして、
「子どものため」という目的から外れないようにする。
適切な距離感を保つことも、長く良い関係を続けるためには大切だと思います。
保護者から意見をもらうことは悪いことではない
指導者をしていると、保護者から意見をもらうことがあります。
中には厳しい意見もあるかもしれません。
でも、すべてを「クレーム」と考えてしまうのはもったいないと思います。
もちろん、すべての意見をそのまま受け入れる必要はありません。
ただ、
「自分の指導を見直すきっかけになるかもしれない」
と考えることはできます。
指導者自身も完璧ではありません。
24年間指導してきた私自身も、後から振り返って、
「もっと違う伝え方があったかもしれない」
と思うことがあります。
だからこそ、耳を傾ける姿勢は持っていたいと思っています。
保護者にもお願いしたいこと
これは指導者側だけの問題ではありません。
保護者にも、できればお願いしたいことがあります。
試合後、子どもに対して、
「なんで打てなかったの?」
「なんでエラーしたの?」
とすぐに聞くのではなく、
まずは、
「お疲れさま」
と声をかける。
そして、子どもが話したければ話を聞いてあげる。
技術的な指導は、基本的には指導者に任せる。
家庭では、安心して帰れる場所を作ってあげる。
それだけでも、子どもにとって大きな支えになると思います。
指導者と保護者は「敵」ではない
野球の現場では、指導者と保護者の間で意見が食い違うことがあります。
でも、本来は敵ではありません。
指導者には指導者の役割があります。
保護者には保護者の役割があります。
そして、その中心にいるのが選手です。
だからこそ、
「誰が正しいか」ではなく、「子どもにとって何が必要なのか」
を考える。
それができれば、指導者と保護者はもっと良い関係を築けるのではないかと思います。
まとめ
指導者と保護者が良い関係を築くために大切なことは、
- 保護者の話をまず聞く
- 指導方針を分かりやすく伝える
- 子どもの前で保護者と対立しない
- 子どもの成長を共通の目標にする
- 適切な距離感を保つ
という5つです。
24年間、野球を指導してきましたが、選手を成長させるためには、指導者だけではなく、周囲の大人が同じ方向を向くことが大切だと感じています。
指導者と保護者。
それぞれ立場は違います。
だからこそ、お互いの役割を尊重する。
そして、
「この子が野球を続けてよかったと思えるようにする」
というところを大切にする。
それが、良いチーム、良い指導につながっていくのではないでしょうか。
🔗 関連記事


コメント