はじめに
中学生と高校生。
どちらも「野球選手」ですが、指導するときには同じように考えてはいけないと感じています。
私は中学野球11年、高校野球13年、合わせて24年間、野球の指導に携わってきました。
その中で強く感じてきたのが、
「中学生には中学生の指導、高校生には高校生の指導がある」
ということです。
今回は、私が24年間の指導経験から感じてきた、中学生と高校生で指導を変えるべき理由について書きたいと思います。
① 身体の成長段階が違う
まず大きいのが、身体の成長です。
特に中学生は、成長期の真っ只中にいる選手が多くいます。
身長が急に伸びたり、体重が増えたり、身体の感覚が変わったりします。
以前できていた動きが、急にやりにくくなることもあります。
そのため中学生では、
「今の身体で何ができるか」
を見ることが大切です。
一方、高校生になると、身体の成長に合わせながら、より専門的な技術や体力づくりを考える場面が増えてきます。
特にピッチャーは、身体の状態を見ながら練習量や投球内容を考える必要があります。
② 中学生は「土台づくり」を大切にする
中学生の時期に、すぐに結果を求めすぎるのは注意が必要です。
もちろん試合に勝つことも大切です。
しかし、それ以上に、
- 基本的な身体の使い方
- キャッチボール
- 捕球
- 送球
- バッティング
- 走ること
- 野球を考えること
など、将来につながる土台を作ることが重要だと思います。
中学生の段階で完成した選手を作るというより、
高校でさらに伸びるための準備をする。
そんな考え方も必要だと思います。
③ 高校生は「自分で考える力」をさらに求める
高校生になると、少しずつ指導者から言われたことをやるだけではなく、
自分で考えて行動する力
が重要になってきます。
「なぜ今のプレーがうまくいかなかったのか?」
「自分の課題は何なのか?」
「次の練習で何を意識するのか?」
こうしたことを自分で考えられる選手は、成長のきっかけを自分で作ることができます。
指導者がすべて答えを与えるのではなく、選手自身に考えさせる。
高校生では、特にこの部分を大切にしたいと思っています。
④ 中学生には「野球を好きになること」も大切
中学生は、これから高校、大学、社会人など、まだまだ長く野球を続けられる可能性があります。
だからこそ、
野球が楽しいと思えること
も非常に大切です。
もちろん、楽しいだけでは上手くなりません。
厳しい練習も必要です。
しかし、厳しさだけになってしまうと、野球そのものが嫌になってしまう可能性があります。
中学生の指導では、
「もっとやってみたい」
「上手くなりたい」
と思える気持ちを育てることも、指導者の役割だと思います。
⑤ 高校生には「責任」も教えていく
高校生になると、チームの一員としての責任も大きくなります。
自分の練習だけではありません。
チームメイトとの関係。
練習への取り組み。
学校生活。
時間管理。
体調管理。
こうしたことも野球につながっています。
高校生には、
「自分の行動がチームにどう影響するのか」
を考えさせることも重要だと思います。
⑥ 同じ失敗でも、指導者の関わり方を変える
例えば、同じ守備のミスをしたとしても、
中学生と高校生に全く同じ言葉をかける必要はありません。
中学生なら、
「まずは基本に戻ってみよう」
と教えることが必要かもしれません。
高校生なら、
「今のプレー、自分ではどう考えている?」
と本人に考えさせることもできます。
もちろん、これはすべての選手に当てはまるわけではありません。
選手の性格や経験によっても変わります。
だからこそ、
年齢だけでなく、その選手を見ること。
これが指導では重要だと思います。
⑦ ピッチャーは特に注意したい
中学生と高校生の違いを考えると、ピッチャーは特に注意が必要です。
中学生のピッチャーは、球速だけを追いかけるのではなく、
- 身体の使い方
- 投球フォーム
- 下半身の使い方
- コントロール
- 投球後の身体の状態
- 休養
などを含めて考える必要があります。
高校生になると、競技レベルが上がり、より専門的な取り組みが必要になる場合があります。
ただし、
「高校生だから、とにかくたくさん投げればいい」
ということでもありません。
選手の身体の状態を見ながら、指導することが大切です。
指導者が変わることも必要
中学生から高校生になると、選手は大きく変化します。
身体も変わります。
考え方も変わります。
野球に対する意識も変わります。
だから指導者も、
「昔からこうしているから」
だけではなく、その年代や選手に合わせて指導方法を考える必要があります。
24年間指導してきても、私自身まだまだ勉強することがあります。
選手が変われば、指導も変える。
これが指導者として大切なことだと思っています。
まとめ
中学生と高校生では、同じ野球でも指導の目的や関わり方を変える必要があります。
今回のポイントは、
- 身体の成長段階が違う
- 中学生は土台づくりを大切にする
- 高校生は自分で考える力をさらに求める
- 中学生には野球を好きになることも大切
- 高校生には責任も教えていく
- 同じ失敗でも関わり方を変える
- ピッチャーは特に身体の状態を見る
ということです。
ただし、年齢だけですべてを決める必要はありません。
中学生でも自分で考えられる選手はいます。
高校生でも、まだ細かく教える必要がある選手もいます。
だから最後は、
「中学生だからこうする、高校生だからこうする」ではなく、「目の前の選手を見て指導する」
ことが一番大切なのだと思います。
24年間、選手たちを見てきて、私自身が今でも大切にしていることです。
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